20代の頃、親の実家の相続トラブルを経験しました。
金融や不動産などの業界を渡り歩き、仕事でも「相続」という言葉を使っていた私でしたが、いざトラブルを前にすると、自分がまったく無力であることを思い知らされました。

　そのとき気づいたのは、「相続対策」という言葉はあちこちで耳にするものの、家族をもめさせないための対策はほとんどないということ。あるのは小手先の節税対策ばかりで、親・子・孫、家族みんなを幸せにするための相続対策は見当たらなかったのです。

　その後、さまざまな学びを経て、親子三代の幸せを追求するための「相続計画メソッド」を作り上げることができました。

　しかし、今振り返れば、起業当初の周囲の目は冷ややかなものでした。保険やアパートなどの商品を売らず、相続のコンサルティングだけで事業が成り立つとは、誰も考えていなかったからです。世の中の多くの相続対策は、保険やアパートといった商品の販売に誘導されるものでした。

　私たちは、倒産寸前の苦しい状況にあっても、利益誘導型のビジネスへ切り替えることはできませんでした。それは理念を捨てることになり、20代の頃に見た祖母の悲しそうな背中を裏切ることになるからです。

　そんな中で私たちを支えてくれたのは、お客様でした。
お客様からいただく「ありがとう」の一言は、それまで経験したどんな仕事よりも重く、尊いものでした。「お客様を裏切らなければ、きっと道は開ける」ーそう信じて続けているうちに、自然と仲間が増えていきました。

　いま、想いを同じくする多くの仲間に支えられながら、親子三代の幸せをサポートする志事をさせていただいています。

　そして、ご家族の代々続く幸せを支えるための力も、企業グループとして育ってきました。

　これからは、私たちだけでは直接手の届かない多くのご家族にも、「親子三代幸せサポート」を届けるため、新たな挑戦をしていきます。

　子ども、孫、そのまた子どもへーずっと続く幸せなご家族のために。

シナジープラスグループ代表亀島 淳一